ザ・ドゥーワップ・ボックス Ⅰー54

1-17.クローズ・ユア・アイズClose Your Eyes-ファイブ・キーズThe Five Keys(チャック・ウィリスChuck Willis)
54年11月16日録音、55年1月キャピトルのシングルとして発売:R&B5位

Close Your Eyes - Album by The Five Keys | Spotify

ファイブ・キーズは、50年代の初めに、アラジン・レーベルAladdin labelでリリースるために、一連の素晴らしいR&B作品をレコーディングしたが、「グローリー・オブ・ラブGlory Of Love」以外は、目立ったチャート(そして売り上げ)の成功は実現しなかった。

78 RPM - The Five Keys - The Glory Of Love / Hucklebuck With Jimmy - Aladdin  - USA - 309978 RPM - The Five Keys - The Glory Of Love / Hucklebuck With Jimmy - Aladdin  - USA - 3099

1954年に契約が切れた――徴兵による予期せぬメンバー入れ替えが多少あったために半ば混とんとしていた――時、マネージャーのソル・リッチフィールドSol Richfieldがキャピトル・レコードCapitol Recordsと契約を結ばせて、そこから彼らのキャリアが始まった。
キャピトルでの最初のシングルでノベルティ・ソングの「リング・ティング・トングLing Ting Tong」は大評判となり、実際に黒人マーケットより早くポップ・マーケットで人気が急上昇した。

The Five Keys – Ling, Ting, Tong / I'm Alone (1954, Scranton Pressing,  Vinyl) - Discogs

ポップとR&Bとロックンロールが絶妙にミックスされ、淳東洋風のナンセンス・シラブルで包まれたこの曲は、ファイブ・キーズを全国的な存在にした。次のシングルの「クローズ・ユア・アイズ」はとても魅力的で、キャピトルでレコーディングした℃の曲よりアラディンAladdinの曲に近く、ポップ・チャートではヒットしなかったが、R&Bのスタンダードになった(1967年に男女ソウル・デュエットのピーチーズ&ハーブPeaches & Herbが再ヒットさせた)。
「クローズ・ユア・アイズ」は目立つために一定のビートや巧みなバックのボーカルを使わず、純粋で、昔風のバラードで、ファイブ・キーズがとてもうまく演奏した。もしこのレコードに何らかの仕掛けがあるとすると、「テイク・ア・ディープ・ブレス」という歌詞の後にはっきりとしたため息を入れたことだが、流れるようなソプラノとファースト・リードのボーカルにエコーをかけたことは、ポップやノベルティ・ソングの構成というよりはむしろ、純粋なリズム&ブルースから持ってきた。
ファイブ・キーズは「クローズ・ユア・アイズ」の後を追ってポップの感性に回帰し、50年代半ばには「バーディクトThe Verdict」、「アウト・オブ・サイト・アウト・オブ・マインドOut Of Sight, Out Of Mind」、「ウィズダム・オブ・ア・フールWisdom Of A Fool」などの曲が全国ヒットになった。

45cat - The Five Keys - The Verdict / Me Make Um Pow Wow - Capitol - USA -  F3127Amazon.co.jp: Out of Sight Out of Mind: ミュージックThe Five Keys – Wisdom Of A Fool / Now Don't That Prove I Love You (1956,  Shellac) - Discogs

しかし、ドゥーワップ・マニアにとっては、アラディンのレコード—―プラス、「クローズ・ユア・アイズ」――が、信じられないほど素晴らしい歌唱グループの価値を象徴している。

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