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第1章 息子も娘も親の手に負えない
アメリカン・ポピュラー音楽の世界は1963年12月26日に永遠に変わったが、当時は誰もそのことに気づかなかった。

おや、業界雑誌の広告に、頭から切り離された4つのヘアカットが「ビートルズがやって来る!The Beatles Are Coming!」という言葉の上に浮いていたが、それがどうしたのか。
刺激的な広告はレコード業界にとっては必須で、それが意味するのは、キャピトル・レコードCapitol Recordsが、イギリスにある親会社の子会社であるパーロフォンParlophoneの要請を受け、多分いやいやであろうが、アメリカで既にキャピトルが見送り、他の2レコード会社が発売したアーティストのレコードを出すことに決めたことだ。しかし、イギリスでこの連中のレコード売り上げはすごかったことは否定できないので、アメリカで試してみても困ったことにはならないだろうということになった。ビートルズが「抱きしめたいI Want to Hold Your Hand」を出すので、キャピトルは年明けに試してみることになった。


この曲はワシントンDCのWWDC-AMのディスク・ジョッキーのキャロル・ジェームスCarroll Jamesには相手にされなかった。
彼には英国航空の客室乗務員に友達がいて、イギリス盤のレコードを手に入れ、リスナーは気に入ったようだが、販売されていなかった。テレビ司会者のジャック・パーJack Paarは1月3日の番組にビートルズのフィルムを放映すると言い、しかも有名なテレビ司会者エド・サリバンEd Sullivanは、2月9日と16日の日曜夜の番組に出演すると発表した。
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しかし、新年にはいつも楽観的になるもので、レコード業界雑誌のビルボード誌Billboardは1月4日号に大きな黒い見出しを載せた(ビルボード誌Billboardは決まった日より数日早く印刷出版されていた)「1964年を最高にホットな年と予測」。よくありがちな予測だが、この年に限っては正しく、2週間後の見出しは、「イギリスのビートルズ キャピトル・レコード史上最も熱いシングル」。これを裏付けるデータがあり、「抱きしめたいI Want to Hold Your Hand」は空前のシングル・チャート45位初登場を果たし、レコード発注数は百万枚を超え、そのうち20万枚はRCAレコードRCA recordsのプレス工場に外注し、キャピトル・レコードはビートルズを乗せた飛行機が2月に到着したときに、ゴールド・レコードをプレゼントすることを望んだ。

