1-24.ザ・グレート・プリテンダーThe Great Pretender-プラターズThe Platters(バック・ラムBuck Ram)
55年11月マーキュリーMercuryのシングルとして発売:R&B1位、ポップ1位
「オンリー・ユーOnly You」のすぐ後に引き続いて、プラターズは、R&Bボーカル・グループによる初のナンバーワン・ポップのレコード、マネージャーであるバック・ラムBuck Ramの「ザ・グレート・プリテンダー」を出した。
この曲は、各前からマーキュリー・レコード幹部に誇大に誉めそやされ、レーベルはこのグループがあたかも白人アーティストであるかのように売り込んだが、単なるワンヒットワンダーなのかどうか確信が持てなかった。マネージャーのラムは「オンリー・ユー」より売れる曲を経営層に約束し、曲名を聞かれたとき、その場で「ザ・グレート・プリテンダー」を思いついた。その直後に、この曲を本当に書いた。
非常に目立つピアノ3連音符 (コメディアンのスタン・フリバーグStan Frebergが当時、この曲の風刺の中でひどく嘲った)と、トニー・ウィリアムスTony Williamsの高く伸びたボーカルが備わって、このレコードはドゥーワップのすべての古典的要素を示し、まっとうな白人の聴衆にとって楽しめるものだった。
白人の子供、白人の大人、黒人の子供、黒人の大人のみんながこのレコードを買い、ポピュラー音楽の来るべき変化の道しるべとなった。
プラターズは10年にわたってマーキュリー・レコードで連続ヒットを出し、60年代半ばにはムジカール・レコードMusicor recordsからソウル・サウンドを出して連続ヒットとした。
「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズSmoke Gets In Your Eyes」、「アイム・ソリーI’m Sorry」、「ユール・ネバー・ネバー・ノウYou’ll Never Never Know」、「マイ・プレイヤーMy Prayer」、「ザ・マジック・タッチ(You’ve Got)The Magic Touch」などすべてポップ・チャートの上位に上り、プラターズ――ドリフターズThe Driftersの数多い生まれ変わりには申し訳ないが――は当時の白人、黒人のどのボーカル・グループよりたくさん売れた。