ティーネージャーズthe Teenagersのように、多くのグループは、主にそのリード・シンガーが有名であり、その個人の力や優れた能力がバックのボーカリストを圧倒することがよくある。
レイブンズThe Ravensのジミー・リックスJimmy Ricks、ファイブ・キーズThe Five Keysのルディ・ウェストRudy West、
ハープトーンズThe Harp-Tonesのウィリー・ウィンフィールドWillie Winfield、スパニエルズThe Spanielsのプーキー・ハドソンPookie Hudson、
ムーングロウズThe Moonglowsのボビー・レスターBobby Lester、ハーツThe Heartsのリー・アンドリュースLee Andrews、
そしてプラターズThe Plattersのトニー・ウィリアムスTony Williamsは全員、後ろにグループがいようがいまいが、熟練した技術を持ち感情表現が鮮やかだった。
私はかつて、ブルックリン・フォックス・シアターBrooklyn Fox Theaterでマレイ・ザ・ケーMurray the Kのショーを見たが、そこでジョニー・マティスJohnny Mathisがハープ・トーンズThe Harp-Tonesをフォローする気の進まない仕事をしていた。
グループは、ピアニスト/作曲家のラオールJシタRaoul J. Citaの単純なコードで演奏を始め、それをきっかけにウィリー・ウィンフィールドWillie Winfieldが心を揺さぶる言葉「一緒にいてくれますか・・・」を歌い始めた。
それ以上、「人生は本当に素晴らしい」とまで歌わなくても、マチスは精一杯歌っていたであろう。言わば、目頑張っているジョニーと一緒にステージを独占してしまった。
早くも1951年には、スワン・シルバートーンズThe Swan Silvertonesやピルグリム・トラベラーズThe Pilgrim Travelersなどの偉大なゴスペル・カルテットの影響は、ほぼドゥーワップ・グループに近いクライド・マクファターのいたドミノーズThe Dominoes with Clyde McPhatterの感動的な演奏の中で聞くことができたし、次に彼がドリフターズThe Driftersのリード・シンガーとして生まれ変わった時にも聞くことができた。
このような背景の中でゴスペル風のグループは、ジュエルズThe Jewels、ナツメグスThe Nutmegs、シルエッツThe Silhouettes、そしてジェリー・バトラーとインプレッションズJerry Buler And The Impressionsだった。
ゴスペルの要素は皮肉にも、60年代に商売で通用するイディオムとしてドゥーワップの中に「存在した」。
ドゥーワップの女性グループの代表はシャンテルズThe Chantelsただ一つで、偉大なるアーリーン・スミスArlene Smithが主役だ。
シャンテルズの前にいたのはブロンクス近郊にいたハーツThe Heartsで、ジャネット・ベイビー・ワシントンJanette “Baby” Washingtonがいた。
その次の登場したのがもっと純朴なグループのシレルスThe Shirellesで、「アイ・メット・ヒム・オン・ア・サンデーI Met On A Sunday(Ronde-Ronde)」には、これから変化する兆しが全くなかった。