サムは彼一流の言い方で、「ジョニー・キャッシュは、うちのレコード会社の経営者じゃない」と言って電話を切ってしまった。
しかしサムは、ジュウェルのシングルを聞くと発言を撤回し、ロイと彼のバンドをメンフィスに招いて録音した。
ロイとサンとの契約を実行するために、ウェルドン・ロジャースに対する差し止め命令も獲得したのだが、その判決にはレコードを作ることを含んでいなかったので、ロジャースはノーマン・ペティと話して、ペティが新たなプレス費用を出した。
しかし、サムは自分のスタディオで、このレコードを再録音し、「ゴー・ゴー・ゴーGo! Go! Go!」という曲をもう一面にして、5月にリリースした。
すぐに売れ、サムはアーティストのための出演予約代理店であるスターズ・インコーポレイティッドStars Incorporatedをボブ・ニールBob Nealと設立していて、巡業に行く準備をするようにティーン・キングスに言った。
ツアー中、誰かがマイクロフォンまでロイを導いた。(ロイはほとんど目が見えなかったが、ステージ上では分厚い眼鏡をどうしてもかけようとしなかった。)
彼らのツアーは7月1日、メンフィスのオーバートン・パークOverton Park野外音楽堂で終了したが、エルビスがサプライズ登場した。
そのツアーにはジョニー・キャッシュ、カール・パーキンス(ようやく退院してペリー・コモのテレビ番組に出演し、新曲「ボッピン・ザ・ブルースBoppin’ the Blues」は評判になっていた)、
そして、有望な新人のウォーレン・スミスWarren Smithがいて、サンから出した「ロック・アンド・ロール・ルビーRock and Roll Ruby」は、その時ヒットしていた。