プラターズThe Plattersも曲目をスタンダードに頼ったアーティストで、1956年のヒット曲、「グレート・プリテンダーGreat Pretender」は、彼らのボスのバック・ラムBuck Ramが書いた曲だったが、次のヒット曲、マイ・プレーヤーMy Prayerは数十年前の曲だった。
しかし、チャック・ベリーChuck Berryは何が必要かを分かっていて、4月に楽しく挑戦的な曲をレコーディングして、夏の初め、それをチェスがリリースし、ティーンエイジャーだけの縄張りを主張した。「ベートーベンをぶっ飛ばせRoll Over Beethoven」は1956年のロックンローラーの世界を完全に描いた。
自分の好きな曲をラジオで聞くのを待ちきれずにいて、誰もが自分の音楽を認めてほしいのに、自分とラジオの間に立ちはだかって邪魔をする大人たちのたわ言にひどくイライラしてた。確かに、彼がみんなに聴いてもらいたかったのは「リズム&ブルース」だったが、若者たちには彼の言いたいことが分かっていた。彼は若者の中の一人ではなかったが、若者たちの世界に入り込むことができた。彼の次のレコードは、「トゥー・マッチ・モンキー・ビジネスToo Much Monkey Business」で、ティーンエイジャー達が就いていたつまらない仕事の欲求不満を表現していた。
しかし、彼の次のレコードは、「トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス」や「ベートーベンをぶっ飛ばせ」と一緒のセッションでレコーディングされたが、全く別物だった。「ブラウン・アイド・ハンサム・マンBrown Eyed Handsom Man」という曲は、タイトルの男を理想としていて、たまらないほど魅力的な男だった。
ミロのビーナスはその男のためにレスリングの試合に勝とうとして両腕を失った。女たちは這って砂漠を渡り、その男のところまで行こうとした。判事の妻は流浪罪から放免してくれるように嘆願した。それはベリーにとって普段通り、滑稽で、直接的で、辛らつな歌詞だった。その男は失業罪で捕まったのだ。そして、誰も正面切って言わないのだけど、その男をたまらないほど魅力的にしているのは、茶色い瞳だったのか?