ロックンロールの歴史 80

すべての人のうち、ティーンエイジャー相手に最も成功した人の一人が、43歳のビッグ・ジョー・ターナーBig Joe Turnerだった。

BIG JOE TURNER ■ 1956 Boss Of The Blues Sessions The Unissued Takes -  piquant

彼は、1953年をブギウギの名曲、「ハニー・ハッシュHoney Hush」で締めくくり、1954年を「ティービー・ママTV Mama」で始めた。

Honey Hush - song and lyrics by Big Joe Turner with Orchester | SpotifyJoe Turner – Honey Hush – Vinyl (7", 45 RPM, Single), 1960 [r5911921] |  Discogs

45cat - Joe Turner And His Blues Kings - TV Mama / Oke-She-Moke-She-Pop -  Atlantic - USA - 45-1016

この曲はスライド・ギターで自分のやりたいようにやるエルモア・ジェームズElmore Jamesを描いたもので、ターナーが有名になったカンサス・シティ・スタイルのジャンプ・ブルースとは全く異なるものだった。しかしこれらのレコードは、年間の大部分(32週間)をチャートにいた「シェイク・ラトル・アンド・ロールShake, Rattle and Roll」の影に隠れてしまった。

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この曲もわいせつだったので多少危機に瀕し、ジョーはガールフレンドの『陽の光に透けるドレス』を褒めたり、自分をシーフードのお店を覗き見る片目の猫になぞらえている。この曲も、狂ったように体を揺らし、最初のロックンロールの名曲のひとつになった。ターナーのバージョンがポップ・チャートに載ることは決してなかったが、白人のティーンエイジャーたちは、この曲について知っていたと思った方が良いだろう。同様だったのが、ペンシルベニア州の29歳になるウェスタン・スイングのバンドリーダーで、地方レーベルから「ロック・ディス・ジョイントRock This Joint」などの人気レコードを出し、「ロケット・エイティ・エイトRocket 88」をカバーしていた。

Bill Haley & The Saddlemen: “Rock The Joint” – Spontaneous LunacyBill Haley & The Saddlemen: “Rocket 88” – Spontaneous Lunacy

ビル・ヘイリー&サドルメンBill Haley and The Saddlemenはフィラデルフィア辺りではとても人気があったので、ヘイリーはアルバイトでやっていたWPWA局のディスク・ジョッキー宛てに送られてきたR&Bレコードを聞いていたのは間違いなかった。1953年半ばに、「クレージー・マン・クレージーCrazy Man, Crazy」というエネルギッシュな曲をレコーディングし、トップテン近くまで上った。

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それがデッカの知るところとなったので契約し、バンド名をコメッツCometsに変えた。「シェイク・ラトル&ロールShake Rattle and Roll」の彼のバージョンは、もちろん歌詞をきちんとしたものにし、アトランティックがビッグ・ジョーBig Joeをバックアップするために協力してもらったジャズメン達の力量には及ばなかったものの、ポップでトップテン入りを果たした。

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