ドゥートーン/ドゥート/オーセンティック Dootone /Dooto/Authentic
このレーベルは1954年、黒人実業家で元ミュージシャン(インディーズ・ビジネスでは珍しい)によって設立された。リズム&ブルース、ゴスペル、コメディ、ジャズ、ポップスを専門としていた。訴訟後、1957年に社名をドゥートに変更せざるを得なくなった。
このレーベルで最も成功したグループはペンギンズThe Penguinsで、「アース・エンジェルEarth Angel」を録音した。
「アース・エンジェル」は、長年にわたって、オールディーズ・ドゥーワップの名曲のひとつとなり、ロックンロールの誕生を代表する最初のレコードとなった。ペンギンズのリード・シンガーはクリーブランド・ダンカンCleveland Duncanで、グループはロサンゼルス出身だった。
「アース・エンジェル」は、ビルボードで8位となり、全米レベルのポピュラー音楽チャートにランクインした最初のロックンロール・レコードのひとつとされている。ペンギンズはドゥートーンに不満であったが、脱退すれば 「アース・エンジェル」の印税をすべて失うことを知っていたため、プラターズと組んでいたバック・ラムBuck Ramという新しいマネージャーを見つけた。
ラムは彼らを Mercury Records に移籍させた (Penguins を参照)。マーキュリーは彼らのレコードを良いと考えたが、マーキュリーが満足するようなチャートには入らなかった。結局ペンギンズはマーキュリー・レコードから脱退した。1957年、ペンギンズはドゥートーンに復帰した。
1954年、ドゥートーンは バーノン・グリーン&メダリオンズVernon Green and The Medallions の「ザ・レターThe Letter」と「ビュイック59 Buick59」を皮切りに、優れたドゥーワップ・グループのレコーディングを続けていた。
1955年にもドゥーワップ・グループ、ドン・ジュリアン&メドウラークスDon Julian and The Meadowlarksが「ヘブン・イン(訳者注:「アンド」の間違いと思われる)・パラダイスHeaven in(訳者注:andの間違いと思われる) Paradise」でリズム&ブルースのチャート入りを果たす。
ドゥーワップ・グループのカルベインズThe Calvanesは「ボイシーズ・フォー・ラバーズVoices for Lovers」というレコードを出した。
このレコードは今日、ボーカル・グループのコレクターから大きな需要がある。
ドゥートーンはカフ・リンクスThe Cuff Linksというドゥーワップ・グループをレコーディングし、ドゥーワップの大定番である「ガイデッド・ミサイルズGuided Missile」を録音した。
ドゥートーン・レコードは12組のドゥーワップ・グループをレコーディングしたが、あまり成功しなかった。しかし、ドゥートーンは、2012年11月に亡くなったクリーブランド・ダンカンが在籍したペンギンズの「アース・エンジェル」で記憶に残るだろう。