ザ・ドゥーワップ・ボックス Ⅰー113

4-2.オー・ローズ・マリーOh Rose Marie-ファッシネーターズ、ジェシー・ストーン・オーケストラとともにThe Fascinators, with Jesse Stone Orch.(ジョセフ・パッサラックアJoseph Passalacqua、ニック・トラビートNick Travato、ジョージ・サーナセクGeorge Cernacek、アンジェロ・ラグレッカAngelo Lagrecca、エド・フィーラーEd Wheeler)

Oh Rose Marie

59年7月キャピトルCapitolのシングルとして発売

The Fascinators – Oh Rose Marie / Fried Chicken And Macaroni (1959, Vinyl)  - Discogs

ハリウッドのキャピトル・レコードCapitol Recordsは、1950年代に、フランク・シナトラFrank Sinatraやナット・キング・コールNat “King” Coleなどのポップ・アーティストで大成功を収めたものの、ロックンロールやリズム・アンド・ブルースということになると、代替チャンスを逃している。

Capitol Records レーベル | リリース | Discogsフランク・シナトラ - WikipediaAmazon.co.jp: Ultimate Nat King Cole: ミュージック

ロカビリーの素晴らしいジーン・ビンセントGene Vincentで大ヒット(「ビーバッパルーラBe-Bop-A-Lula」)を出したが、5枚LPを出しただけで終わってしまった。

Amazon.co.jp: Be Bop a Lula: ミュージック

そこの所属している注目すべき唯一のR&Bグループのファイブ・キーズThe Five Keysは、ポップ・スタイルでヒットを出したが、キャピトルCapitolは当時、さらにロックンロールを追及するための子会社(コロンビアのオーケー・レーベルOkeh labelなど)を持っていなかった。

Amazon.co.jp: The Glory of Love : The Five Keys: デジタルミュージックOkeh レーベル | リリース | Discogs

1958年までに、いわば目覚めた者もいた。ファッシネーターズThe Fascinatorsは、ブルックリンのベッドフォードスタイベサントでとても人気があり、マネージャーは自分の関係が多少あるキャピトルと契約をしてみる気になった。キャピトルはリード・シンガーのアンソニー・パサラクアAnthony Passalacquaだけが欲しかったが、全員か無しかという取引だったので、すぐにグループと契約した。次の1年間にわたって、グループは傑出した3枚のドゥーワップ・シングルを制作したが、ほとんどまったく売れなかった。おそらくこのレーベルはどうやってボーカル・ロックンロールを宣伝するかを全く知らなかったのだろうが、歌と演奏(ビッグ・アル・シアーズBig Al Searsとキング・カーティスKing Curtisがサックスで、パナマ・フランシスPanama Francisがドラム)の質は確かに、売れるような最高なものだった。

Big" Al Sears - Rock & Roll Progenitor - Macomb Area Convention and  Visitors BureauSoul of King Curtis-Digi-Amazon.co.jp: All Stars 1949 : Panama Francis: デジタルミュージック

「チャペル・ベルズChapel Bells」がその秋、最初に出て、その後がバラードの「フー・ドゥ・ユー・シンク・ユー・アーWho Do You Think You Are.」だった。

The Fascinators - Chapel Bells / I Wonder Who | Releases | Discogs45cat - The Fascinators - Who Do You Think You Are / Come To Paradise -  Capitol - USA - F4137

2曲とも最後にパサラクアのリード力強い古典的なドゥーワップ・ハーモニーを特徴としたが、それでも全国で流行しなかった。

1959年までに最後にもう1曲のために準備して、曲を選んで制作した。「オー・ローズ・マリーOh Rose Marie」だ。この曲は、2分ちょっと貫いたグループのリズム以外に、準主要な古典的ドゥーワップである、曲の途中での朗読を特徴としていた。そして、素晴らしいくも、たわいない伝統的手法だが、パサラクアは心の奥の(たえず純真な)考えを話し、数秒後にグループが再開するおぜん立てをした。これでうまく行かないわけがない。

パサラクアは、その後、トニー・リチャーズTony Richards、トニー・ミッチェルTony Mitchell、トニー・パスTony Passとしてソロ・シングルをたくさん出し、60年代後半、最後は「アーチーArchie」に落ち着いた。

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