1-22.フェン・ユー・ダンスWhen You Dance-ターバンスThe Turbans(アンドリュー・ジョーンズAndrew Jones)
55年7月ヘラルドHeraldのシングルとして発売:R&B3位、ポップ33位
この曲は、おそらく『ドゥーワップ』と歌うシラブルをバックとして実際に使った最初の曲ではないだろうが、これ以前に重要な曲を見つけることはできない。この曲が同時代のものと本当に一線を画しているのは、マンボビートにこの曲に合わせたロックンロールのスイングが差し込まれている点で、1955年の若いボーカル・グループにとってはかなり複雑なリズムだ!販促用の写真で全員の頭にターバンを着せたことも悪くなかった。しかし、マンボであろうとなかろうと、この曲はドゥーワップだ。リード・シンガーのアル・バンクスAl Banksのファルセットは忘れられないし、グループとバスは、あたかもこのスタイルを発明したかのようにお互いを引き立て合った。
その後のシングルは、ほとんどの部分でかなり良かったがヒットせず、ターバンズもやはり1曲だけヒットしたボーカル・グループの運命に思えた。しかし1959年、ロザンジェルスのDJのアート・ラボ―Art LaboeがクロスライセンスによるコンピレーションのLPという、驚くべきコンセプトを思いついた。
今日では当たり前となった(そしてライノ・レコードRhino recordsは、これでビジネスを構築した)が、ラボーは、無関係の後半にわたる様々なレーベルの曲から構成された『オールディーズ』アルバムを初めて発売した。
様々なレーベルから曲を買うのではなく、自社のLPのために借りただけで、それをオールディーズ・バット・グッディーズOldies But Goodiesと名付けたのは賢明だった。
このアルバムは大ヒットし、良く売れてLPチャートの上位に入ったのはもちろんのこと、60年代初期のドゥーワップにおけるルネッサンスへと発展させた。「イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイトIn the still of the night」、「アース・エンジェルEarth angel」、「フェン・ユー・ダンスWhen you dance」などの曲は、ラボーのアルバムで人気が出たのに応じて再発売されると、すべて再び成功した(ポップ・チャートに載るのが2回目というのも実際にあった)。