１－９．アイI－ベルベッツThe Belvets(ジョージ・ソープGeorge Thorpe、バール・アシュトンBearle Ashton、チャールズ・サンプソンCharles Sampson、ドナルド・れいざーDonald Razor、ジョー・ブリスベンJoe Brisbane)
５３年１１月レッド・ロビンRed Robinのシングルとして発売、５６年５月ピルグリムPilgrimのシングルとして再発売
ハーレム(特にシュガーヒルthe Sugar Hillエリアは、Frankie Lymon デッド・エンド・キッドDead End Kidやバウリー・ボーイBowery Boyのレオ・ゴーシー Leo Gorceyが出た)出身の初期ティーネージ・グループの一つであるベルベッツThe Velvetsは、初期の伝説的グループであるボカリアーズThe Vocaleers、メロームーズMello-Moods、スカーレッツThe Scarletsが誕生した、ボビー・ロビンソンBobby Robinsonのレッド・ロビンRed Robinレーベルの出身だった。
ロビンソンは様々なレーベルで長期にわたって成功したビジネス経歴を持ち、変わったものを聞き分けることができて、ベルベッツは確かに変わった曲を演奏する能力があった。
この曲は当時リリースされたほとんどのR&B――リード・シンガーのチャールズ・サンプソンCharles Sampsonは「アイI」という言葉を覚えやすいコーラスの中で何度も繰り返して切々と歌った――とは幾分違っているだけでなく、アレンジがドラムから出るはっきりしたバックビートと、１９５３年というよりは１９５８年に聞こえる歌の構成のせいで、数年後に到来するものをうかがわせていた。「アイI」は、１９５６年にピルグリムPilgrimレーベルから再販売され、再発行された最初の『オールディーズ』となった。