幸いにもキング・レコードはそれらを見捨てずに、全ての曲をニューヨークで当時の優れたギタリストの一人、ミッキー・ベイカーMickey Bakerとレコーディングしたのだから、たぶん誰かがスタディオを変えたほうがよいかもしれないと判断したのだろう。

しかしロイヤルズの中にはすでに当時の卓越したギタリストの一人がいて、それはギタリスト、ソングライター、バス・シンガーと3分野に優れたローマン・ピート・ポーリングLowman “Pete” Paulingで、2月28日、シンシナティのキング・スタディオKing Studiosでロイヤルズがポーリングに、自由にやってよいと言った時に、素晴らしいことが起こった。




彼らはトップテン入りしたR&Bヒット「ティアーズ・オブ・ジョイTears of Joy」というバラードと、彼らがそれまでに録音した中で最もゴスペル色の強い曲の一つ、「シンクThink」をレコーディングしたのだ。
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グループの手拍子を特徴にして、ポーリングが演奏するギブソン・レス・ポール・ギターGibson Les Paul guitarの刺激的で鋭い音が、ボーカルのアレンジを縫って走る中、すべての動きを整理するには数秒で済み、その後リスナーはおそらく一緒に楽しんだろう。

R&Bのトップテンに入り、ポップでは66位まで上がったので、おそらくファイブ・ロイヤルズのキャリアを救っただろう。今や彼らはアポロ・シアター等どこでも演奏し、大人数でのパッケージ・ショーのツアーにも行った。

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6か月後、「シンクThink」はまだヒットしている中、彼らは戻ってきて再び演奏し、4曲録音して、そのうちの一曲は名曲になったものの、残念ながら彼らのバージョンではなかった。「メッシナップMessin’ Up」はアップ・テンポのダンス・ナンバーでヒットしなかったが、そのB面の「セイ・イットSay It」は、ポーリングがレコーディングした中で最も荒々しいギター演奏とのデュエットによる、ジョニー・ターナーの訴えかけるような魂のこもったリード・ボーカルで、アンプの増幅限界すれすれだった。これもダメだった。

しかし、次の曲「愛する君にDedicated to the One I Love」は、シレルス
、さらにその後ママス&パパスThe Mamas and The Papasがヒットさせて生き続けることになる。

![The 5 Royales – Dedicated To The One I Love – Vinyl (7", 45 RPM, Single), 1959 [r17862775] | Discogs](https://i.discogs.com/dExuCYCcUJHPxmm4WwGU-6ImtdLEbw_oaC15RpitTJY/rs:fit/g:sm/q:90/h:598/w:600/czM6Ly9kaXNjb2dz/LWRhdGFiYXNlLWlt/YWdlcy9SLTk0Mzcx/MTgtMTUwMjczNDcy/OC05NDY1LmpwZWc.jpeg)


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B面の「ドント・ビー・アシェイムドゥDon’t Be Ashamed」は、ゴスペルの改作で、再びローマンLowmanのギターがさく裂している。

信じられないと思えるかもしれないが、このレコードはおそらくラジオで何回かかかったものの、チャートに登場することは無かった。しかし、1957年、この曲もまた失われた名曲となった。