しかし45回転盤はシングル曲には理想的で、最新のマスタリング技術を使って、ジュークボックスの素朴なサウンド・システムでも、音質が飛躍的に良くなり、工夫すれば両面に2曲ずつ収録することが可能で、こうしてEP盤と呼ばれる延長再生可能なレコードが誕生した。
この形態のレコードは、軽量で音質が良く製造コストが安いということで、ポップ・ミュージック業界ではすぐに受け入れられ、45回転シングル盤とEP盤の両方とも、大きくて不格好なSPレコード等に追加された。
EP盤は12インチのアルバムをいっぱいにできないアーティストにとって理想的でもあったので、カントリーやR&Bのアーティストは、特にEP盤で人気があり、また、45回転盤に転向したジュークボックスのオペレーターは、EP盤を選んでくれれば料金を高くできるので喜んだ。この時代の有名なEP盤の一つが、ミッドナイターズの「アニーAnnie」全三部作、「ワーク・ウィズ・ミー・アニーWork with Me, Annie」、「セクシー・ウェイズSexy Ways」、「アニー・ハッダ・ベイビーAnnie Had a Baby」と、彼らの最初のヒット曲「ムーンライズMoonrise」で、すべてフェデラルFederalレーベルのEP盤に収録されている。
33回転盤と45回転盤のもう一つの共通点は、ポリ塩化ビニール製で、とても長持ちし、落としても割れにくいことだ。しかし、78回転盤は米国以外ではとても長く存続し、インディアン・オデオンIndian Odeonは1966年に、ビートルズThe Beatlesの「ペーパーバック・ライターPaperback Writer」と「レインRain」の78回転盤を発売した。