「ベスト・パート・オブ・ブレーキング・アップBest Part Of Breaking Up」(ロネッツThe Ronettes)、「貴方っていい感じI Love How You Love Me”(パリス・シスターズThe Paris Sisters)、「エブリ・ブレス・アイ・テイクEvery Breath I Take」(ジーン・ピットニーGene Pitney)、
「プリティ・リトル・エンジェル・アイズPretty Little Angel Eyes」(カーティス・リーCurtis Lee)、「ゼアリズ・ノー・アザーThere’s No Other (Like My Baby)」(クリスタルズ)、これらはすべてスペクターのプロデュースである。
フィルは、ロックンロール・ミュージックで最も成功したプロデューサーである。1961年から1966年にかけて、彼は45回転シングルを芸術の域にまで高めた。彼はそのウォール・オブ・サウンドを「子供たちのための小さなシンフォニー」と呼んだ。フィルのスタジオ支配は、他のどのプロデューサーとも異なっていた。彼のウォール・オブ・サウンドは、たくさんある楽器をそれぞれ最大限の音量で融合させ、エコーを十分に使うことによって生み出される洞窟のような轟音だった。彼には、才能あるシンガーと熟練のセッション・ミュージシャン、そして素晴らしい曲をマッチングさせるクリエイティブな才能があった。
彼は精神を病むほど執着し、アーティストを何時間も何時間も際限なくテイクを行った(ライチャス・ブラザースThe Righteous Brothersは彼のもとを去った)。
フィル・スペクターはソングライターとロックの殿堂入りしている。スペクターは、自宅でハリウッド女優を銃で殺害した罪で有罪判決を受けた。現在、カリフォルニアの刑務所で服役中だ。彼はおそらく獄中で死ぬだろう。2013年3月、スペクターの殺人裁判を描いたテレビ映画(HBO)が、フィル・スペクターを演じるアル・パチーノAl Pacino主演で公開された。