第6章

ロックンロール・ノベルティ・レコードの誕生

「新聞とゴミを出さないと、お小遣いはやらないぞ――うるせーな——口答えはするな。」コースターズThe Coasters、1958年

ノベルティ・ソングの定義は、音楽的に楽しませるのではなく、人を笑わせるという目的に関係している。ノベルティ・ソングは1800年代後半から存在していたが、第二次世界大戦後、レコードの普及とともに人気になった。

40年代後半、カントリー・ミュージシャンのスパイク・ジョーンズSpike Jonesが、当時のレコードを使い（深刻さを取り除いて）、奇抜な効果音を作ることで流行させた。

50年代初期、多くのエンターテイナーが風刺によってロックンロール・ミュージックを物笑いの種にした。スタン・フレバーグStan Frebergのように、このビジネスでキャリアを築いたエンターテイナーも何人かいる（ワン・ヒット・ワンダーも多い）。

ティン・パン・アレイのソングライターたちは、ノベルティ・ソングを書くことに積極的だった。50年代初頭、フィル・ハリスPhil Harrisという俳優が「ザ・シングThe Thing」（浜辺で不思議な箱を見つける）というノベルティ・レコードを大ヒットさせ、パティ・ペイジPatti Pageは「ワン・ワン・ワルツHow Much is That Doggie in the Window? 」をリリースした。

ロックンロールでノベルティ・ソングが流行したのは、当時の白人ティーンエイジャーのサブカルチャーと大いに関係があった。1955年までに、リーバーとストーラーはドゥーワップ・グループのコースターズThe Coasters（「ショッピン・フォー・クロージーズShoppin’ For Clothes」、「ザ・シャドウ・ノウズThe Shadow Knows」、

「スリー・クール・キャッツThree Cool Cats」、「ガールズ・ガールズ・ガールズGirls, Girls, Girls」、「ウェイト・ア・ミニッツWait A Minute」）、

ラバーン・ベイカーLaVern Baker（「ジム・ダンディ・ゴット・マリードJim Dandy Got Married」）、シェブ・ウーリーSheb Wooley（「ザ・パープル・ピープル・イーターThe Purple People Eater」）のためにリズム＆ブルースのノベルティ・ソングを書いていた。