3-4.メイビーMaybe-シャンテルズThe Chantels(リチャード・バレットRichard Barrett、ジョージ・ゴールドナーGeorge Goldner)
57年10月16日録音、57年11月エンドEndのシングルとして発売:R&B2位、ポップ15位
シャンテルズ以前にリズム・アンド・ブルースの全員女の子のグループがいて、ヒット曲を出していた――中でも注目すべきなのがクイーンズThe Queens(「ウープ・シュープOppu Shoop」1954年)、ハーツThe Hearts(「ロンリー・ナイツLonely Nights」1955年)、ボベッツThe Bobbettes(「ミスター・リーMr.Lee」1957年)――が、誰も人気のある曲を長い間続けてリリースしていないし、アーリーン・スミスとシャンテルズArlene Smith and The Chantelsほど決定的なサウンドを提供しなかった。
「メイビー」は、後にジャニス・ジョプリンJanis Joplinやスリー・ディグリーズThe Three Degreesがカバーして成功し、「エブリ・ナイトEvery Night(I Pray)」、「アイ・ラブ・ユー・ソーI Love You So」、そして1961年にゴールドナーの所から去った後の「ルック・イン・マイ・アイズLook In My Eyes」など、50年代後半にジョージ・ゴールドナーのエンド・レーベルEnd labelからシャンテルズがリリースした数多いレコードの一枚だった。
シャンテルズは、その名前をブロンクスにあるライバル校(セント・フランシス・ド・シャンテルSt. Francis de Chantell)からとり、ゴールドナーの部下の従業員のリチャード・バレットRichard Barrettのオーディションを受け、その人の指示で、世俗的な趣のあるポップ・ソングをいくつか作り始めた。
彼女らのレコードは制作の立場からするとあまり洗練されていなかったが、当時、アーリーン・スミスArlene Smithの声を聞けば、他に一体何が必要だっただろうか。シャンテルズは、60年度初めに急増した、シャングリラス、ロネッツ、クリスタルズその他の『ガールズ・グループ』にとって、主なインスピレーションの一つだった。