2-24.テル・ミー・ホワイTell Me Why-ノーマン・フォックスとロブ・ロイズNorman Fox & The Rob-Roys’(マーシャル・ヘルファンドMarshall Helfand、ドン・カーターDon Carter)
57年8月バック・ビートBack Beatとして発売
異人種間のボーカル・グループ達が1957年に大評判をとり、年の初めのデル・バイキングスThe Dell Vikingsから始まって、その次は真夏にクレスツThe Crests、晩夏にはノーマン・フォックスとロブ・ロイズだった。
そして、最初の2グループはある程度の評価を受けたものの、飲み物にちなんで名付けたロブ・ロイズはいまだに一部にしか知られておらず、残念だ。リード・シンガーのノーマン・フォックスは、初期ロックンロールにあっては最も特色があってパワフルな声をしており、もしもっとマーケティングが上手だったら、独力でポップ・ボーカリストになっていたかもしれない。バックのグループは強力なハーモニー・ミックスを提供し、ブロンクスの子供集団としては、彼らのレコードはすべて信じられないほどプロのように聞こえた。
ニューヨークで結成されたのだが、このグループはテキサスに本拠を置くバックビート・レコードBackbeat recordsの子会社のデューク/ピーコック・レコードDuke/Peacock recordsに地方のレコード店で出会いその場でオーディションを受けた。
その時その場で契約権を獲得して、57年にそのレーベルで素晴らしいシングルを2枚レコーディングしたが、それがこの全集に入っている曲と、同じくらい軽快な「ダンス・ガール・ダンスDance Girl Dance」だ。
しかし、デューク/ピーコックは、ポップとかリズム・アンド・ブルースのレーベルというよりはむしろゴスペルとかブルースレーベルだったので、どちらのレコードも会社の支援をあまり受けられなかった。いらだった彼らは、まだ以前のレーベルに契約がある中でキャピトル・レコードCapitol Recordsに活路を見い出したが、次のキャピトルでのシングル(「ピザ・パイPizza Pie」)はすぐに撤収させられた。
デューク/ピーコックとの契約を買い取るために、このグループはその会社のためにフォックスがさらに5曲書いたが、まだ日の目を見ていない。
「テル・ミー・ホワイ」は素晴らしい曲に間違いなく、ベルモンツThe Belmontsは4年後にこの曲をはるかにリラックスした演奏でポップ・ヒットにしたが、ロブロイズには遥かに離された2番目だと考える。