2-15.ウォーキング・アロングWalking Along-ソリテアーズThe Solitaires(ウィンストン・ウィリスWinston Willis、ハイ・ワイスHy Weiss)
56年10月10日録音、57年1月オールド・タウンOld Townのシングルとして発売、58年10月アーゴArgoのシングルとして再発売
多才なボーカルの中にゆっくりめの早口言葉があるが、ハイ・ワイスHy Weissのオールド・タウン・レーベルOld Town labelにおいて1954-1963年に活躍した、非常に尊敬された5人組/6人組を表すのにそれがふさわしい。
ソリテアーズ――自分たちの業績として全国的ヒットのないもう一つのグループ――は、どの時点においても3人もリード・ボーカルをフィーチャーし、キャリアとして純粋なR&B・ドゥーワップからロックンロールに移り、最終的にはソウルに行った。オールド・タウン・レーベルが当時全く三流の事業しか行っていなかったのはあまりに残念で、もしワイス氏がマーケティングや流通においてもっと野心家であったなら、この全集で選んだ曲、1955年のローカル・ヒットの「ザ・ウェディングThe Wedding」、素晴らしい「ザ・エンジェルズ・サングThe Angels Sang」等たくさんの曲がチャートに入っていたかもしれない。
言ってみれば、ダイヤモンズThe Diamonds――白人のカナダ人カバー・グループで、皆こっちの方が好きだった――の演奏したレコードはオリジナルの「ウォーキング・アローン」に比べれば月とスッポンなのに、ソリテアーズのバージョンが発売された1年以上後になってマイナー・ヒット(トップ30)になった。
注目すべき――そして、このようなことを些細なこととかたずけないようにしている――は、このアップテンポの名曲の初めの有名な足音は、グループ・リーダーのバジー・ウィリスBuzzy Willisと、ハイとサムHy and SamのワイスWess二兄弟によるものだ。これは、いまだにハイによる最大の個人的な録音の努力かも知れない。