ザ・ドゥーワップ・ボックス Ⅰー5

とは言うものの、ポップ・チャートの全国トップ40に入った曲はほとんど全部入れ、何曲か入れなかった曲(ボリュームズThe Voluemsの「アイ・ラブ・ユーI Love You」、ステレオズThe Stereosの「アイ・リアリー・ラブ・ユーI Really Love You」)は、ライノRhinoの他のコンピレーションで手に入るので、もしここに入れなければ決して二度と日の目を見ることのないであろう数曲(ファッシネーターズThe Fascinatorsの「オー・ローズ・マリーOh Rose Marie」とボス・トーンズThe Boss-Tonesの「モープ・イティ・モープMope-Itty Mope)にスペースを譲るために割愛した。

I Love You - Album by The Volumes | Spotify

The Stereosの「I Really Love You - Single」をApple Musicで

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THE BOSSTONES - "MOPTITY MOPE" (1959) - YouTube

ロックンロールより前の初期の時代から最も重要な曲を入れようとしたし、『風味付け』だけのためにほかの数曲を加えた。全てがヒット曲のコンピレーションだと、それぞれの曲をすでに1000回も聞いているので、すぐに飽きてしまう。ライノの住所はこのボックスに印刷されているので、コメントをどこ当てに書けばよいかが分かるだろう。
作詞作曲のクレジット、メンバー表、選んだ曲のレコーディングとリリース情報が正しいかどうかを確かめようとして時間を費やしたが、このような骨の折れる努力は仕事というよりも楽しみである者もいた。50年代後半の第1回ドゥーワップ・リバイバルの間に再発売された場合に、オリジナル・リリースだけでなく再発売を載せたケースもあった。多くの場合には1956-57年の曲が、1959-60年に再びチャート・インされることも実際にあった。情報の中には推測もあったし、今後も推測に過ぎないだろうが、当時ロックンロールやドゥーワップが存続して、次に45回転レコードがリリースされた後もまだ残っていると考えた人はいなかったので、初期の時代のデータが編集されたり保存されることはほとんどなかった。
作詞作曲のクレジットは、残念ながら現代の法的登録を反映していて、必ずしも実際に作った人ではなく、50年代、60年代には、作詞作曲のクレジット(そしてそれによって出版収入が分配される)がレコード・レーベルのオーナー、マネージャー、DJに譲られたり(あるいは取られたり)して、その見返りに放送してもらったり、そのほかのことを考慮してもらうことは、極めて一般的だった。グループのメンバーを正確に特定することは特に難しく、多くのメンバーがたまたまやっていたというような、アマチュア的なものだったので、どの時点でもシンガーは常に変化していた。当時ステージ上で曲を演奏しているときに見たグループ・メンバーと、たった1週間かそれ以上前にスタディオでレコーディングしたメンバーは違うかもしれない。それでも、誰かが提供してくれた文書による訂正を確実に評価するようにした。
ドゥーワップ現象をどう考えているかについて、数多くの執筆者に寄稿を依頼し、その記事がこの小冊子のいたるところにちりばめられている。ほとんどすべてが個人的な話なので、私も身勝手になって二つ付け加えた。

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