1958年に17歳だったリッキー・ネルソン。テレビ・ショウではアメリカでは非常に人気のあるオジートハリエットを両親に持ち、幼いころから兄たちと一家でステージで活躍しました。57年の春、折からリアル・ジャズばかりでは飯は食えんと悟ったか、ポピュラー畑にも手を伸ばし始めた大ノーマン・グランツの目に止まって、そのレコード会社バーバの専属となりました。第1回に吹き込んだのが黒人リズム・アンド・ブルースの王様ファッツ・ドミノが吹き込んでヒットした「アイム・ウォーキン」。ところが後から発売されたネルソンのレコードの売れ行きはぐんぐん伸びて、ついにはそれを追い越す人気。
Ricky Nelson – I’m Walkin’, 1957 (Remix)
それと同時に片面の歌「ティーン・エージャー・ロマンス」もヒット・パレードにランクされて、見事両面ヒットというデビュー盤での快打。
Ricky Nelson~A Teenager’s Romance
これに驚いたのはファッツ・ドミノを売り物にしていたインペリアル・レコード。専売特許のつもりのドミノのヒット曲を横取りされたのではかなわない。しからば、そういう危ない存在は、いっそのこと、こっちに引き抜いてしまえ、と強引さでは人語に落ちないグランツの陣営から如何なる妙手を使ってか、あっさりとこのネルソンを引き抜き、早速売り出したのが「ビー・バップ・ベイビー」、このレコードはインペリアルのマークで日本でも売り出された。
Be-Bop Baby – Ricky Nelson