ロックンロールの歴史 219

1958年、キャピトル・レコードはキングストン・トリオに賭けてみることにした。

Amazon Music Unlimitedでキングストン・トリオを聴くKingston | Jamaica, Map, History, & Facts | Britannica

キングストンの名前はジャマイカの都市からとったものだが、彼らはカリプソよりハワイアンに関心があった。グループのうち二人は、ハワイで育ちハワイアン音楽を大学で一緒に演奏し、3人目のメンバーが参加するとすぐに風刺にとんだ音楽、軽快なポップ・ソングを始め、ベイ・エリアの宣伝マンで彼らの新しいマネージャーになったフランク・ワーバーFrank Werberと協力して、サンフランシスコのクラブにふさわしい演目を開発した。

Story of Frank Werber, family is a tale of cooking as love made manifest - Silvercity Daily Press

彼らのチャンスは1957年メモリアルデーの終末に巡ってきた。フィリス・ディラーPhyllis Dillerがパープル・オニオンthe Purple Onionでの1週間契約をキャンセルしたので、ワーバーはクラブを説得してキングストン・トリオを出演させた。

Phyllis Diller (then Phyllis Driver) studied piano for three years at the Sherwood Music Conservatory of Columbia College Chicago, but decided against a career in music. Phyllis then enrolled in Bluffton UniversityAbove the Purple Onion

彼らはうまく行き、すぐにたくさんの出演予約が舞い込んだ。ワーバーは将来を見据え、自分たちと契約するレコード・レーベルはLPしかリリースしないことを主張した。最初のアルバムはうまく行ったが、すごいというほどではなかった。しかしソルト・レーク・シティの放送局のディスク・ジョッキーが、「トム・ドゥーリ―Tom Dooley」を放送すると電話がじゃんじゃん鳴った。

Tom DooleyThe Kingston Trio – Tom Dooley – Vinyl (Scranton Pressing, 7", 45 RPM, Single), 1958 [r2479778] | Discogs

結局キャピトルはそれをシングルとしてリリースせざるを得なくなり、1958年の夏、大ヒットして第1位になった。アルバムは4年間チャートに居続けた。皮肉にも「トム・ドゥーリ―Tom Dooley」は正統なアメリカのフォーク・ソングで、1950年代、民族学者のフランク・ワーナーFrank Warnerが、ケンタッキー州のバンジョーの造り手で歌手のフランク・プロフィットFrank Proffittから収集し、フォークウェイズ・レコードからリリースしたが、キングストン・トリオはこの種の素材をできるだけ敬遠していた。

Tom Dooley – Song by Frank Proffitt – Apple MusicThe True Story of Tom Dooley: From Western North Carolina Mystery to Folk Legend | Amazon.com.br

しかし、ピート・シーガーの異母兄弟マイクMikeは敬遠しなかった。

Mike Seeger

シーガーはフォーク音楽にあふれた家で育ったが、それは音楽民俗学者チャールズCharles(そして、子供たちのベイビー・シッターで左利きのギタリストであるエリザベス・リバ・コットンElizabeth Libba Cotton)のおかげであり、マイクは25歳なるまでに、古い音楽の歩く百科事典になっただけでなく、多数の楽器を様々なスタイルで演奏できた。

Remembering Elizabeth “Libba” Cotten, born on this day in 1893. Through her songwriting and self-taught, upside-down, left-handed playing style on the guitar and banjo, Cotten has influenced generations of musicians. She is

マイクはニューヨークで、似たような考え方を持つ、写真家のジョン・コーヘンJohn Cohenと数学者のトム・ペイリーTom Paleyという二人の友人と一緒に、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーNew Lost City Ramblerとして、グリニッチ・ビレッジのクラブで演奏し始めた。

Tom Paley, John Cohen and Mike Seeger Sing Songs of the New Lost City Ramblers - John Cohen, Mike Seeger & TOM PALEYのアルバム - Apple Music

彼らも1958年にグループと同名のアルバムを、やはりフォークウェイズで作った。