第4章 ハートランドにおける黒人の声
ルー・チャッドLew Chuddは気をもんでいた。
アラディン・レーベルAladdin labelを経営していたメスナー兄弟the Mesner brothersは、ニューオーリンズに行きエーモス・ミルバーンAmos Milburnを何とかしてレコーディングさせ、エーモスによって次から次へとヒットを生み出すことになる。
チャドはヒューストンにあるドン・ロビーDon Robeyのピーコック・クラブDon Robey’s Peacock Clubでタレント・スカウト・ツアーをして、デイブ・バーソロミューDave Bartholomewというニューオーリンズのトランペット奏者のステージを見たが、このバーソロミューはフロリダでは超人気で、バンドにはサクソフォンのレッド・タイラーRed Tylerとリー・アレンLee Allen、体が細いが筋金入りのアール・パーマーEarl Palmerがいた。
チャドはすぐにバーソロミューに契約を申し入れ、故郷のニューオーリンズでタレント探しを依頼し、見つけた芸人と契約すればボーナスをはずむことにした。数週間後、バーソロミューはチャドに対し、故郷にある唯一のコズィモ・マタッサCosimo Matassaレコーディング・スタディオで行った最初のセッションの結果を送り、ジュウェル・キングJewel Kingの「3×7=21」がすぐにトップテンのヒットになった。