今から振り返れば言えることだが、他にもスターはいた。ビルボード誌の半ページ広告がそのうちの一人を宣伝したのだが、そのスターは演奏者ではなかった。その宣伝にはこう書いてある。「中西部に誕生した新レーベルは、この産業のリーダーの一つになるべく運命づけられている。タムラ・レコードTAMLA recordsの社長は若く精力的で、現代音楽業界の天才だ。」タムラの「社長」ベリー・ゴーディBerry Gordyの写真はにっこり笑い、宣伝にはこのレーベルの主力グループ、ミラクルズThe Miraclesの最新リリース、「ウェイ・オーバー・ゼアWay Over There」が載っていた。




ゴーディは、以前のシングル「バッド・ガールBad Girl」を、彼が名付けたレーベルからリリースしたが、これもまたもっと大きな会社のチェスChess recordsに数週間で引き渡さなければならず、その理由はとても良く売れたためにヒットに対応できる経営資源を持ち合わせていなかったからだ。

今度こそはと覚悟を決めた「ウェイ・オーバー・ゼアWay Over There」はゴスペル風味の力作で、ミラクルズがアイズレー・ブラザースThe Isley Brothersと共演した時にひらめいた曲だった。

しかし、若く精力的な天才は間違いを犯した。飾り気のないバックが気に入らなくて、そのテープをユナイテッド・サウンドUnited Sound Systems Recording Studiosに持ち込み、弦楽器をダビングして、オリジナルのレコードを引っ込め、新バージョンを発売したのだ。

その二つは同じシリアル・ナンバーなので、だれもが混乱した。このことでレコードの勢いはそがれ、ゴーディは明らかに教訓を学んだ。(また、ビルボード誌がゴーディの次の数曲のリリースを報じた時、「タルマTalma」とスペリングした。もう一つの教訓は、宣伝の請求書は期日どおりに支払うということだ。)
しかし、動きがあったのは黒人のチャートで、カントリーはポップと同様に全く動きがなかった。ハンク・バラード&ミッドナイターズHank Ballard and The Midnightersはまだ頑張っていたし、彼らの「フィンガー・ポッピン・タイムFinger Poppin’ Time」はとても楽しく、


ジェームス・ブラウンJames Brownはファイブ・ロイヤルズThe ”5” Royalesの「シンクThink」をリメイクしてヒットさせた。

![The "5" Royales – Think / I'd Better Make A Move – Vinyl (7", 45 RPM, Single), 1957 [r3147129] | Discogs](https://i.discogs.com/-JAE4Ts1Ilqh-m3c1uhX6UVLmmoYFWWEEtuPxJKYtVU/rs:fit/g:sm/q:40/h:300/w:300/czM6Ly9kaXNjb2dz/LWRhdGFiYXNlLWlt/YWdlcy9SLTMxNDcx/MjktMTMxODExMjE3/Ni5qcGVn.jpeg)
![Amazon.co.jp: Think! -Hq- [Analog]: ミュージック](https://m.media-amazon.com/images/I/71VjFg55YVL.jpg)

