しかし、放送時間の多くがインストゥルメンタルとノベルティ・ソングのレコードで埋められた。ロス・バグダサリアンRoss Bagdasarianは、儲かっていそうだがほとんど知られていないアルメニア系アメリカ人のポップス市場で最高のソングライターであり、「フライング・ソーサーFlying Saucer」の最後の言葉である「さよなら地球の人々Good Bye Earth Pee Pul」を、テープにぎこちなく吹き込んで早回しする考えを取り入れ、それをキャリアにした人だった。
ロスは、デビッド・シビールDavid Sevilleという名前を使い、1958年のベストセラー「ウィッチ・ドクターWitch Doctor」を録音したが、そのナンセンスなコーラスは早回ししたものだった。
これをきっかけに、俳優としても活躍したカントリー・シンガーのシェブ・ウーリーSheb Wooleyは、究極の宇宙人を描いた「ザ・パープル・ピープルThe Purple People」を作り、同様の話し方をした。
世間はこれをもっと必要としていると勇気づけられ、シビールはいつもとんでもないレコードが出るクリスマスまで待って、「ザ・チップマンク・ソングThe Chipmunk Song」を発売した。
この曲の特徴は、3人の早回しの声がハーモニーを作って、怒涛のようにチップマンクChipmunkとチペッツChipettesのレコードを出し、勢いは弱まることがなかった。