エルビスElvisにとってグラディスのいない世界は想像できなかったが、ロックンロールはエルビスのいない世界を想像していかなければならなくなる。

リッキー・ネルソンRicky Nelsonはいたが、エルビスのような激しさには欠ける。

エバリー・ブラザースEverly Brothersのスローな曲は良かった(「夢を見るだけAll I Have to Do Is Dreamは春に大ヒットし、


そのB面の「クローデットClaudette」はロイ・オービソンが自分の新妻に捧げるとともに、出版社の収益を上げるために書いた)けれど、


エバリー兄弟が「バード・ドッグBird Dog」に「俺のかわいこちゃんに近づくな」というときの脅しは、

エルビスが「監獄ロックJailhouse Rock」の「トラブルTrouble」を歌うときのようには聞こえなかった。

![Elvis Presley – Jailhouse Rock / Treat Me Nice – Shellac (10", 78 RPM), 1958 [r838792] | Discogs](https://i.discogs.com/OMDrmfwIx0n4GdD5ypO5wiJMveN_sR0AIwS4AY1X-5Y/rs:fit/g:sm/q:40/h:300/w:300/czM6Ly9kaXNjb2dz/LWRhdGFiYXNlLWlt/YWdlcy9SLTgzODc5/Mi0xNDkxOTMxNzkw/LTUxOTEuanBlZw.jpeg)
ブロンクスでは、ハンサムなディオン・ディムーチDion DiMucciが率いるボーカル4人組、ディオン&ベルモンツDion and The Belmontsが「アイ・ワンダー・ホワイI Wonder Why」というレコードをリリースした。

この曲は、黒人グループと同じぐらい素晴らしい出来で、白人ハーモニー・グループにとっては突破口となり、ディオンは挑戦者かも知れなかった。次のエルビスは現れていなかったが、次のリトル・リチャードは見つかった。
