ロックンロールの歴史 203

 

クリケッツThe Cricketsは進化していた。

The Crickets – The Sound Of The Crickets – Vinyl (7", 45 RPM, EP), 1958 [r3316353] | Discogs

クリケットのメンバーは、ニキ・サリバンNiki Sullivanが出て、ギタリストのトミー・オールサップTommy Allsupが入った。

The Big - Niki Sullivan (The Crickets) | FacebookTOMMY ALLSUP · www.rocknroll-schallplatten-forum.de

トミーはジョニー・リー・ウィルスズ・ウェスターン・スィング・バンドJohnnie Lee Wills’s Western swing bandの一員で、ノーマン・ペティが見つけ、セッション・ワークを申し出た多彩なプレーヤーだった。

Johnnie Lee Wills - the rockabilly chronicleNorman Petty Studios - Vault Series, Vol. 7 ‑「コンピレーション」by ヴァリアス・アーティスト | Spotify

スタディオでバディと仕事をした後、結局クリケッツとツアーに行き、彼のギター・ソロ「ハートビートHeartbeat」はトミーにとてもアッピールした。

Buddy Holly – Heartbeat – Vinyl (4-Prong Centre, E/T, 7", 45 RPM + 2 more), 1960 [r4032352] | DiscogsHeartbeat (Buddy Holly song) - Wikipedia

この曲のクレジットは、バディとボブの時代に演奏されたという記録はないのだが、クレジットはバディとボブ・モンゴメリーBob Montgomeryとなっている。

Muere Bob Montgomery, compositor de Buddy Holly

しかし、バディはとても野心的で、8月にクリケッツがマレイ・ドイチュMurray Deutschを訪ねるためにピアサザン・ミュージックPeer-Southern Musicのオフィスに行ったとき、ドイチュの新しい受付嬢マリア・エレーナ・サンチャゴMaria Elena Santiagoを目にしたとたん、恋に落ちた。

Murray Deutsch Obituary - Hornell Evening TribunePeer Southern Publishing Studios, NYCINTERVIEW: Buddy Holly's widow speaks ahead of musical's tour, visiting The Orchard in Dartford | News Shopper

バディは、その晩彼女をディナーに誘いプロポーズした。8月15日、マリアはラボックに飛行機で行き結婚し、ホリーの両親は祝福した。しかし、マリア・エレーナはプエルトリコ人だったので、両親は異人種間の結婚がうまく行くのか心配した。物事は実際に動き始め、バディとマリア・エレーナはマンハッタン区グリニチ・ビレッジにアパートを借り、バディはニューヨークに引っ越した。バディはペティやクリケッツとの関係も断ち切ったが、自分のソロ演奏のため、何人かのメンバーはサイドメンとして使った。バディは夢中になって曲を書き、その中には「ペギー・スー・ゴット・マリードPeggy Sue Got Married」(スーは実際に結婚した)をジェリー・アリソン新郎・新婦の結婚祝として作り、ディック・ジャコブズDick Jacobsのアレンジで弦楽合奏団とレコーディングを始めた。

Buddy Holly – Peggy Sue Got Married – PowerPop… An Eclectic Collection of Pop Culture45cat - Buddy Holly - Peggy Sue Got Married / Crying, Waiting, Hoping - Coral - USA - 9-62134

それ以外の時間は、アパートにいてノーマン・ペティから買ったアンペックスAmpexのテープ・レコーダーでデモを録音していた。このいわゆるリビングルーム・テープの何本かには、マリア・エレーナが台所で何かを炒めたり、曲の間にバディがマリアに話しているのが聞こえる。