そして、エルビスやロックンロールに動きがあるとお金がまつわった。例えばテレビのダンス番組がそうだ。メンフィスの狂人デューイ・フィリップスDewey Phillipsでさえ、少なくとも、映画仲間がゴリラのぬいぐるみを着て、ジェイン・マンスフィールドJayne Mansfieldのピンナップ写真でちょっと挑発的になり過ぎるまでは、ダンス番組を持っていた。
ディック・クラークは運がすごく上向いて、ABCテレビで土曜の夜のゴールデン・タイムに番組をもらい、席に着いた観客の前で次から次へとヒット曲の口パクが続いた。
これはあまり長続きしなかったが、こんなに高視聴の時間帯にロックンロールをテレビのネットワークが放送することの影響は大きかった。
もう一つの金の儲け口は、もちろんレコードだ。新しいレコード・レーベルがいたるところに出現する一方で、現代の音楽に適応できずに衰退していくレーベルもあった。ロサンゼルスでは、リバティ・レコードLiberty Recordsが1955年に設立され、ジュリー・ロンドンJulie Londonをスターにしたが、1958年に会社をロックンロール・ファンにアッピールしたのはエディ・コクランEddie Cochranで、R&B分野までしっかりとカバーするために、以前ラークスThe Larksにいて、当時ビリー・ウォード&ヒズ・ドミノーズBilly Ward and His Dominoesのリード・シンガーだった、ユージーン・マムフォードEugene Mumfordと契約した。
ユナイテッド・アーティスツUnited Artistsは、自社のサウンドトラック・アルバムを流通させるために、レコード・レーベルを設立した最新の映画スタディオになったが、すぐに個人アーティストに目を付けた。ABCパラマウントABC-Paramountはこのビジネスに参入して本社をニューヨークに置いたが、サウンドトラックと個人アーティストにも関心を持った。これらの会社はどれも、他の会社関係を通じて資金繰りは十分だった。モーリス・レビーの創業したルーレットRouletteも同様で、レビーは伝説のニューヨーク・ジャズ・クラブ、バードランドBirdlandのオーナーで、マネー・ロンダリングをする人脈の広い様々な友人がいた。
