レイブンズの後を追ったのはオリオールズThe Oriolesで、リード・シンガーのソニー・ティルSonny Tilの声は、リッキー・リックスRicky Ricksが朗々として太い声なのとは対照的に活気があって軽快だった。
オリオールズのハーモニーは複雑で、デビュー・シングルの「イッツ・トゥー・スーン・トゥ・ノウIt’s Too Soon to Know」は、アーサー・ゴッドフレイズ・タレントスカウツArthur Godfrey’s Talent Scoutsのテレビ番組で負けた後、彼らのマネージャー（でこの曲を作った）がアポロのショーに出演させて、大喝采を受けた。
デボラ・チェスラーDeborah Chesslerは、10代のバルティモアのデパート販売員で、最初はオリオールズのファンになり、その後曲を書き、最終的にはマネージャーになったのだが、元気たっぷりで、主にアポロにおけるデボラの仕事ぶりと容貌の結果として名付けられた、イッツ・ア・ナチュラルIt’s a Naturalというレコード会社から、オリオールズがレコードを出した。
黒人音楽界の状況は変わりつつあることが明らかで、そこで、その状況をよく知っていたジェラルド・ウェクスラーGerald Wexlerは、誕生しつつある音楽に対してレコードのディーラーや一般の人達が使っていた用語に、経営陣を説得して変えた。
彼は、1949年半ばにレコード業界2誌のうちの1社（もう1社はキャッシュ・ボックス誌Cash Box）、ビルボード誌Billboardの社員で、レース・レコードRace Recordsチャートからリズム＆ブルースRhythm and Bluesに変えたのだ。
この言葉はすべてのタイプの黒人音楽を包含していて、1948年から1950年までのビルボード誌のチャート１位になったのは、以下の通りだ。