第5章
ロックンロール・インストゥルメンタルの誕生
最初のロックンロール・インストゥルメンタル・レコードはビル・ドゲットBill Doggett「ホンキー・トンク・パート1&2 Honky Tonk Part 1 & Part 2」
昔から言われているのは、オリジナルのインストゥルメンタル・ロックンロール・レコードは50年代中期から60年代初期に始まり、バンドによって演奏される純粋な音楽だった。これらのバンドは、伝統的なジャズ・ダンス・バンドから発展したもので、小人数の聴衆を相手に演奏して巡業するのが一般的だった。この音楽の典型的な編成は、リズム・セクションと、ピアノ、サックス、オルガン、または最も一般的なギターによるソロだった。しばしば1、4、5のブルース進行を演奏し、メロディックに動き回る余裕(ロックンロール・ブーム)をあったが、しばしば単純に1つのリフを展開してリスナーの注意を引き、ソロやブリッジに入ることもあった。このジャンルは、特定の音楽的特性に焦点が当てられた60年代後半まで続いた。ロックンロール・インストゥルメンタル・ソングと定義された最初のレコードは、1956年のビル・ドゲットによるリズム&ブルースだった。
ビル・ドゲットThe Bill Doggett Combo(1919-1996)、フィラデルフィア、ペンシルバニア
ビル・ドゲット・コンボの「ホンキー・トンク・パート1&2」は、1956年の冬、ビルが各地で演奏していた一夜限りの興行を数多くこなした中で生まれた。
毎晩毎晩、人々がこの曲に好意的な反応を示したので、彼はこの曲がダンス・ヒットになる可能性があることを知っていた。1956年の夏、キング・レコードのスタジオに入り、レコードを制作した。そのレコードはすぐにロックンロール・レコードというレッテルを貼られた。ビルは自分がロックンロールをレコーディングしているとは思っていなかった。このリズム・アンド・ブルースのレコードは400万枚以上売れ、1956年のリズム・アンド・ブルース・チャートで1位、ビルボード・ポップ・チャートで2位にチャートインした。ロックンロール誕生の一端を担うオールディーズ・レコードとして愛され続けている。その後も、リズム&ブルース・チャート3位、ビルボード35位を記録した「ソフトSoft」のような曲をレコーディング。「ソフト・ウォークSlow Walk」ではビルボード26位にチャートインした。