4-22.アンチェンド・メロディUnchained Melody-ビト・アンド・サルテイションズVito & The Salutations(ハイ・ザレットHy Zaret、アレックス・ノースAlex North)
63年9月ヘラルドHeraldのシングルとして発売:ポップ66位
もし批評家たちがポップ・ボーカル・グループは50年代初めにスタンダードをぶち壊していると考えたのなら、ビト・アンド・サルテイションズが「アンチェンド・メロディ」を台無しにしたと聞いて心臓麻痺を起こしただろう。アル・ヒブラーAl Hibblerとライチャス・ブラザースThe Righteous Brothersは、この曲をバラードにしてビッグ・ヒットにしたが、ビトとギャング連中には他の考えがあり、この曲をトリプルメーターにして完全なドゥーワップ処理をすることにした。
この曲をまじめ腐って聞くのはつらく、特にライチャス・ブラザースの映画でヒットしたバージョンをたくさん聞いた後だとなおさらだ。
サルテイションズという名前は、ニューヨークのDJの『ジャコ』ヘンダーソン”Jocko” Hendersonの昔から言ってる番組開始のセリフ、「グリーティングス・アンドサルテイションズ」から来ていて、このグループは60年代初めに正統派のドゥーワップのレコードをたくさん出し、最もよく知られているのがキャディラックスThe Cadillacsの「グローリアGloria」の素晴らしいカバーだ。
地下鉄で(他の場所かな?)歌っているところを女性歌手のリンダ・スコットLinda Scottに見いだされ、ビトと再構築されたグループはいまだにイースト・コーストで時々歌っていて、そこで「アンチェンド・メロディ」は演奏のハイライトだ。
よくよく考えた末、同じくらいばかばかしいバージョン「ハイ・ヌーンHigh Noon」はこの全集に入れないことにしたが、責めないでほしい。ドゥーワップ・ボックス2には入るかも知れない。