3-11.リトル・スターLittle Star-エレガンツThe Elegants(アーサー・ベノーザArthur Venosa)
58年6月アプトAptoのシングルとして発売:R&B1位・ポップ1位
ドゥーワップは高尚な文化でないと本気で思っているのか?この曲はモーツァルトだ!3番まである童謡でもあり、この曲が過去35年間信じられないほど人気があったことと関係しているはずだ。「トゥインクル・トゥインクル・リトル・スター…。」親愛なるモーツァルトは、ステートゥン・アイランド出身の5人の男が自分の小旋律を、ドゥーワップ最大のヒット史上最大の一つに変えると夢にでも見ただろうか――それどころか、ポップ・ミュージック市場最大のヒット曲の一つになった、以上。オープニングでメロディーの付いた「フェ―・アー・ユー・リトル・スター?」を入れたのは、ハル・レコードHull recordsのビー・カスリンBea Kaslin(カスリンは、この曲をABC-Paramountにリースした)の功績だ。
エレガンツ(この名前はウィスキーの広告から来た)はモノトーンズThe Monotonesとよく似ていて、才能のあるグループだったが、その後素敵なレコード作品がたくさん(バーバリアンズThe Barbariansの60年代半ばのレコードの「モルティ―Moulty」など)あるにもかかわらず、そのグループ名につながるのは1曲だけだということだ。
リード・シンガーのビト・ピコーネVito Piconeが言ったように、ショー・ビジネスで有望に見える仕事のために何人かが学校をやめた時に、グループは若くて、どうなるか分からない。
残念ながらドゥーワップは、長期的に音楽で成功するための養成所としてはほとんど役立たず、エレガンツはあの素晴らしい1958年夏に「リトル・スター」が導いてくれた、うっとりさせてくれるような絶頂に到達することは無かった。それでも、白人、黒人両方の観客がいるナンバーワン・ヒット曲があるのだから、グループ・メンバーは間違いなく、胸を張って自分の子供たちに世界の頂点になることはどんなことかを語ることができる。