2-20.ウィスパリング・ベルズWhispering Bells-デルバイキングス、クリプス・ジョンソンをフィーチャーしてThe Dell-Vikings, featuring Krips Johnson(クラレンス・クイックClarence Quick)
57年5月フィー・ビーFee Beeのシングル及びドットDotのシングルとして同時に発売:R&B5位、ポップ9位
ベルやチャイムの鳴る50年代のレコードのほとんどは、想像だけなのか、あるいはオールディーズファンにとって美化として見えるのであろうか?「ウィスパリング・ベルズ」(「チャーチ・ベルズ・メイ・リングChurch Bells May Ring」その他数多くの曲)は、あの打楽器の音色をうまく使っているが、レコードを通して響いているのはギターであって、実はベルではなかった。この曲は楽器の仕掛け以外のものでも成功していて、ベル、ドラム、サックスは曲の猛烈なスピードを加速し、クリプス・ジョンソンKrips Johnsonのリード・ボーカルと高く舞い上がっては下がるくねくねしたソプラノは、この曲が今日まで人気を保っているのに同様に貢献している。
当時契約上の混乱が多少あったが、マーキュリー・レコードMercury Recordsはもう一つのデル・バイキングスのグループ――基本的に、ジョンソンのいないフィー・ビー・レーベルThe Fee Bee labeのグループ――を、「ウィスパリング・ベルズ」がヒットしているのと同時に売り出し中だったので、異なる二つのレーベルのデル・バイキングスのヒットが同時にチャート入りしていた(マーキュリーの曲は「クール・シェイクCool Shake」だった)。
「ウィスパリング・ベルズ」がリリースされたのは1957年5月だったが、実際にレコーディングされたのは数か月前で、オリジナル・グループのほとんどがマーキュリーに移籍する前だった。ジョンソンは後にフィー・ビー/ドットDotからリリースするために、新デル・バイキングスを結成した。そこから、話はとんでもなくややこしくなるのだが、それは物事を見極めて整理してくれる人たちに任せよう。