2-18.フローレンスFlorence-パラゴンズParagons(ジュリアス・マクマイケルズJulius McMichaels、ポール・ウィンレーPaul Winley)
57年3月ウィンレーWinleyのシングルとして発売
町のチンピラとドゥーワップとの間には、大して本質的ではないが関係がいつもあった。良いドゥーワップ・レコードを作るには、若くしてチンピラになる必要はないが、この時代の多くのグループにとって、確かに歌うかあるいは町で何かをやらかすかという代替の関係にあった。ジュビリー・レコードJubilee Recordsのジェリー・ブレインJerry Blaineが、1959年のLPの名作であるザ・パラゴンズ・ミート・ザ・ジェスターズThe Paragons Meet The Jestersにいくつかのギャング・タイプの写真を目玉にしたとき、単にその考えに基づいただけだった。
パラゴンズが記憶されるにふさわしい理由は、荒々しく見えるLPジャケット以上に、後の多くのレコーディング・アーティスト達(ポール・サイモンなど)が「フローレンス」、「ヘイ・リトル・スクールガールHey Little Schoolgirl」、「レッツ・スタート・オーバー・アゲインLet’s Start Over Again」などの曲について、音楽の冒険をするためのひらめきになると指摘している。
「フローレンス」は、リードシンガーのジュリアス・マクマイケルズJulius McMichaelの信じられないファルセットの典型的な見本であり、メインボーカルに入る前にグループの息の長い物悲しい声で始まるのが特徴だ。
マクマイケルは悪名高きファイブ・シャープス5Sharps(詳細は「ドゥーワップの歴史における重要な出来事」を参照)のメンバーで、次にオリンピックスThe Olympicsと一緒に歌ったが、ほとんどのドゥーワップ・ファンにとっては、本当に『黄金期』の古典的なニューヨーク・グループの一つのリーダーだった。