「アース・エンジェルEarth Angel」とロックンロール誕生
この全集の編集者ンド多くのドゥーワップ・コレクターは、最初のR&Bボーカル・グループ・レコードを感謝する点では遅れてやって来たのだが、このジャンルで率直に意見を言う人間の一人であるウェイン・スティアールWayne Stierleは、その場にいてよく覚えている。
ウェインは、特に、プラターズThe Plattersやエルビス・プレスリーElvis Presleyの豪華な全集を、自分のキャンドルライト・レーベルCandlelite labelから1970年に発売し、懐かしいロックンロールの情報豊かなボックス・セットを作ったことに功績を認められるべきだ。
ウェインはその時、オールディーズのテレビ全集も発売した。ドラマチックな表現に関して生まれ持った才能が有るので、当時、初めて一般大衆が聞いたときに、ドゥーワップはどのように聞こえるかを説明するためには、ウェインはベストな選択だと思える。
多くのラジオ局が24時間放送でなく、また、ほとんどがFMでなくAMだった時代があった。多くの場合、『音楽』放送局は音楽番組を夜に放送し、多くのR&B放送局はジャズを深夜に放送した(そしてゴスペルは朝)。通常は自分の気に入る音楽を見つけることは面倒な作業で、ジョー・スタッフォードJo Stafford、パティ・ページPatti Page、フォー・エーセスThe Four Aces、トニー・マーティンTony Martin、ビック・ダモンVic Damoneなど多くのアーティストによるロックンロール以前の『ポップ・ヒット』ばかりが見つかる。
この音楽は、黒人であれ白人であれ、ロックンロールではなく、大人か『大学生の年齢』の聴衆を狙っていた。「ブルー・テール・フライBlue Rail Fly」、「ビッグ・ロック・キャンディ・マウンテンBig Rock Candy Mountain」、「オン・トップ・オブ・オールド・スモーキーOn Top Of Old Smokey」などの『子供用』の歌から逃れるためには、子供はどうしても大人になるしかなかった。
それが50年代初期であり、大人の世界は、姿は見せても声を出してはいけない、大勢いるティーネージャーにほとんど注意を向けなかった。