大瀧詠一のアメリカン・ポップス伝 パート1 第1夜

大瀧詠一のアメリカン・ポップス伝 パート1  第1夜

2012年3月26日放送

(放送内容)

えー、皆さんこんばんわ。大瀧詠一でございます。

大滝詠一 初のライブアルバム「NIAGARA CONCERT '83」が発売決定 ...

1995年に、日本ポップス伝というタイトルで、このNHK-FMで放送いたしました。

そのパート2は、99年に放送したんですけれど、まあ、その1回目の95年からは既に17年が過ぎてしまったということになりますが、本当に月日の経つのは早いものです。

本日はその続編として、アメリカンポップス伝をお送りいたします。

えー、アメリカンポップスと言っても、あまりにも量が膨大ですので、私の得意なロックンロールの歴史を紐解いてみたいという風に考えています。

それでは50分間、どうぞごゆっくりお楽しみください。

Elvis Presley – Heartbreak Hotel

えー、さて、ロックンロールと言いますと、エルビス。

エルビスを語ると、ロックンロールを語ることになるのであります。

えー、この1956年に、ハートブレークホテルが大ヒットしたわけですね。

ポップ・チャートではデビュー曲であったわけです。

それをナンバー・ワンヒットさせました。

でー、この曲がいかに衝撃的であったのかということを分かるために、いろいろ考えたんですけども、それは、アメリカンポップソングを聞いてみたら、それがどれくらい衝撃的であったのかということが分かると思いまして、えー、しかし、そうは言いながらも、何年も前まで遡るわけにはいきませんから、えー、1951年からのヒット曲を並べてみまして、えーそれから、その当時のヒットソングがどんなもんであったのかというのを、聞いてみようと思います。

さて、それでも51年の曲を全部かけるというわけにもいきませんので、チャートでナンバーワンになった曲だけを集めて、編集してみました。

聞いてみましょう。51年からです。

If/ Perry Come

Be My Love/Mario Lanza

How High The Moon/Les Paul & Mary Ford

Too Young/Nat King Cole

 

Come On-A My House/Rosemary CIooney

Because Of You/Tony Bennett

Cold Cold Heart/Tony Bennett

It’s No Sin/Eddy Howard

Cry/Johnnie Ray

えー、51年のヒット曲をお送りいたしました。

全体的に男性ソロシンガーが多いですね。

で、戦前はビングクロスビーの独り舞台だったんですけども、戦後はペリーコモが、あの、一番人気でしたね。一番最初にかけましたペリー・コモは IF でした。

で、ナット・キング・コールも出てきましたし、それから、トニー・ベネット、ビコーズ・オブ・ユーって歌ってましたが、これがデビューソングで、デビュー・ヒット、ナンバーワンなんですね。

で、続いて、コールド・コールド・ハート、ハンク・ウイリアムスの名曲をカバーしたんですけども、これも1位にしてますから、えー、ま、ペリー・コモに強力なライバル現るというのが、トニー・ベネットだったですね。

えー女性人というか男性人というか、レス・ポールとメアリー・フォードが出てきましたけれども、ギターサウンドですね。エコー・ディレーが初めて使われたナンバーワンヒットでした。

えー、それから女性人では一人、ローズマリー・クルーニー、カモナ・マイハウス・マハイハウス歌ってましたけども、ジョージ・クルーニーのおばさんですね。

で、ローズマリー・クルーニーは、この51年がデビューでした。

 

さて、続きまして1952年に行きますけども、これはものすごい数が多いんですね。

1952年のナンバーワンヒット。

Slow Poke/Pee Wee King

 

Wheel Of Fortune/Kay Starr

 

Kiss Of Fire /Georgia Gibbs

Blue Tango/Leroy Andersen Orchestra

A Guy Is A Guy/Doris Day

Here In My Heart /Al Martino

Delicado/Percy Faith & His Orchestra

Auf Wiederseh’n, Sweetheart/Vera Lynn

Half As Much/Rosemary Clooney

Wish You Were Here/Eddie Fisher

You Belong To Me/Jo Stafford

Went To Your Wedding/Patti Page

It’s In The Book/Johnny Standley with Horace Heidt & His Musical Knights

Why Don’t You Believe Me?/Joni James

The Glow Worm/Mills Brothers

I Saw Mommy Kissing Santa Claus/Jimmy Boyd Accompanied By Noman Luboff

えー、最後に、アイ・ソー・マミー・キッシング・サンタ・クロースが出てまいりました。この曲は、何度もクリスマス・シーズンになるとチャートをされた曲です。で、52年の特徴は、女性シンガーが増えましたね。ケイ・スター、ジョージア・ギブス

ドリス・デイ、ア・ガイ・イズ・ア・ガイ、ジョー・スタフォード、ユー・ビロング・トゥ・ミー、パティー・ページが出てきました。ジョニー・ジェームス。とにかく、女性シンガーが52年はたくさん出てきましたね。それから初の1位を獲得したのは、50年デビューのエディ・フィッシャーですね。アイ・ウィシュ・ユー・ワー・ヒアを歌ってましたが、やっぱり、こんなクルーナータイプの男性シンガーも相変わらず、人気がありました。

さて、続きまして1953年のポップ・ソング・ナンバー・ワン・ヒットを聞いていましょう。

Don’t Let The Stars Get ln Your Eyes/Perry Como

Till I Waltz Again With You/Teresa Brewer

That Doggie In the Window/Patti Page

The Song From Moulin Rouge/Percy Faith & His Orchestra

I’m Walking Behind You/Eddie Fisher

Vaya Con Dios/Les Paul & Mary Ford

No Other Love/Perry Como

You, You, You/The Ames Brothers

St.George & The Dragonet/Stan Freberg

Rags to Riches/Tony Bennett

最後はトニー・ベネットですね。ラッグズ・トゥ・リッチーズってやつでしたけども。53年はやはりペリー・コモが2曲、そしてこのトニー・ベネットと男性シンガーですね。それから、パーシー・フェースのムーラン・ルージュの歌は良い曲ですけども、前年もナンバー・ワンがありましたけども、パーシー・フェースもこの辺は常連になっていたということですね。それから、テレサ・ブリューワー、これがデビュー、50年デビューでしたけども、テェル・アイ・ワルツ・アゲイン・ウィズ・ユー、これは雪村いづみさんもカバーしていましたね。

えー続きまして、1954年のナンバー・ワン・ヒット。

Oh My Pa-pa/Eddie Fisher

Secret Love/ Doris Day

Make Love To Me/ Jo Stafford

Wanted / Perry Como

Little Things Mean A Lot/ Kitty Kallen

Three Coins in The Fountain/The Four Aces

Sh-Boom/The Crew Cuts

Hey There / Rosemary Clooney. Buddy Cole & His Orchestra

This Ole House / Rosemary Clooney

I Need You Now / Eddie Fisher

Mr. Sandman / The Chordettes

コーデッツのミスター・サンドマンが最後の曲で、バック・トゥ・ザ・ヒューチャーを思い出しますね。確か、あの映画の設定は1955年だったと思います。時代考証的にも、正しい歌でしたね。途中クルー・カッツのシュ・ブームが出てきましたし、今のミスター・サンドマン出てきましたが、コーラスグループ、後にドゥー・ワップと呼ばれる、あのようなコーラス・グループの全盛の、この辺がだいたい始まりだったということが分かると思います。

えー、続きまして1955年のナンバー・ワン・ヒット。

Let Me Go Lover/Joan Weber

Hearts Of Stone/The Fontaine Sisters

Sincerely / McGuire Sisters

The Ballad Of Davy Crockett / Bill Hayes

Cherry Pink And Apple Blossom White / Perez Prado & His Orchestra

Dance With Me Henrγ /Georgia Gibbs

Unchained Melody /Lee Baxter

Rock Around The Clock/ Bill Haley & His Comets

Learnin’ The Blues / Frank Sinatra

The Yellow Rose Of Texas / Mitch Miller

Ain’t That A Shame/Pat Boone

Love is A Many Splendored Thing /The Four Aces

Autumn Leaves /Roger Williams

16 Tons / Tennessee Ernie Ford

えー、テネシー・アーニー・フォードのシックティーン・トンをお送りいたしましたが、特徴的なのは、シンシアリーとかハーツ・オブ・ストーンとか、やはり、あの、コーラスグループのものが増えてきたということですね。それから、R&Bのカバーですね。ダンス・ウィズ・ミー・ヘンリーとか、エイン・ザッタ・シェイム、パットブーンです。この曲が1位になっていますね。でも、何と言っても途中で聞こえた、ロック・アラウンド・ザ・クロック、ビル・ヘイリー、あれはやっぱり衝撃的ですね。こういう流れから聞いてみると。ですから、まあ、あそこがロックの始まりという風にするのもわかる気がしますよね。ま、ビル・ヘイリーに関しては、明日ちょっと、とりあげてみることにします。ということで、これが1955年でありました。さて、そして1956年、エルビスのハート・ブレイク・ホテルが1位になるまでの、前のヒット曲、ナンバー・ワン・ソング、それを聞いてみましょう。

Memories Are Made Of This / Dean Martin

Rock & Roll Waltz/ Kay Starr

The Great Pretender / The Platters

Lisbon Antigua / Nelson Riddle

The Poor People Of Paris /Les Baxter

Heartbreak Hotel / Elvis Presley

えー、ようやくエルビスが出てまいりましたけれども、このハートブレイクホテル、さっきのビル・ヘイリーは衝撃ですけれども、エルビスは、これは異質ですよね。かなり変わってます。これがナンバー・ワン・ヒットですから、ずーと並べて聞いてみると、これの衝撃度というのも、かなりのものがあったというのも、お分かりいただけると思います。で、最初の方は、ディーン・マーチンでしたね。えー、メモリーズ・アー・メイド・オブ・ディス、彼の初の一位です。前年にシナトラのカミング・ザ・ブルースがありましたけれども、まあ、この辺の男性シンガーがいろいろと出てきたということですね。

さて、アメリカのチャートには、ポップ・チャートだけではなく、カントリー・チャートというのも有ります。

それではカントリー・チャートの1951年から、また振り返って、この5年間のナンバー・ワン・ヒットを聞いてみましょう。

I Love You A Thousand Ways / Lefty Frizzell

The Golden Rocket / Hank Snow & His Rainbow Ranch Boys

The Shotgun Boogie/ Tennessee Ernie Ford

There’s Been A Change in Me/ Eddy Arnold

The Rhumba Boogie / Hank Snow a His Rainbow Ranch Boys

Cold Cold Heart/Hank Williams with His Drifting Cowboys

Kentucky Waltz / Eddy Arnold

I Want To Be With You Always/Lefty Frizzell

I Wanna Play House With You / Eddy Arnold

Hey, Good Lookin’/Hank Williams With His Drifting Cowboys

Always Late With Your Kisses / Lefty Frizzell

Slow Poke/ Pee Wee King & His Golden West Cowboys (feat. Redd Stewart)

Let Old Mother Nature Have Her Way / Carl Smith

えー、51年のカントリー・チャートは13曲、1位ありましたねー。最後から二つ目のスロー・ポーク、ピー・ウィー・クングですけども、これはポップチャートでも1位になったという大ヒットですね。ヘイ・グッド・ルッキングもありましたけども、何と言ってもこの頃のカントリーはハンク・ウイリアムスです。

それでは1952年のカントリーヒットを。

Give Me More, More、 More (Of Your Kisses) / Lefty Frizzell

Wondering /Webb Pierce

(When You Feel Like You’re in Love)Don’t Just Stand There/Carl Smith

Easy On The Eyes / Eddy Arnold

The Wild Side Of Life / Hank Thompson & His Brazos Valley Boys

That Heart Belongs To Me / Webb Pierce

Are You Teasing Me/Carl Smith

Wasn’t God Who Made Honky Tonk Angels/ Kitty Wells

Full Time Job / Eddy Arnold

Jambalaya (On The Bayou) / Hank Williams with his Drifting Cowboys

Back Street Affair / Webb Pierce

Don’t Let The Stars Get in Your Eyes/ Slim Willet

えー、52年のカントリー・ヒットを聞いていただきましたけども、ウェブ・ピアスのワンダリング・ワンダリングというのが出てきましたけど、ウェブ・ピアスのデビュー・ヒットでナンバーワンです。ですから、この後は、このウェブ・ピアスがカントリーではナンバーワンになっていきますね。で、ハンク・ウイリアムスのジャンバラヤが出てきましたが、これは14週間も一位になるという大ヒットでした。で、ポップチャートも20位まで上がるという、本当に大ヒットだったですね。ところが、この52年に暮れですね、12月の31日から翌年の1月にかけて、ハンク・ウイリアムスは亡くなるんですね。

ではその53年のカントリーのヒット曲、ナンバー・ワンを聞いてみましょう。

Midnight/Red Foley

I’ll Go On Alone/Marty Robbins

I’ll Never Get Out Of This World Alive / Hank Williams with His Drifting Cowboys

No Help Wanted / The Carlisles

Eddy’s Song / Eddy Arnold

I Let The Stars Get in My Eyes / Goldie Hill

Kaw-Liga / Hank Williams with His Drifting Cowboys

Your Cheatin’-Heart / Hank Williams with His Drifting Cowboys

Mexican Joe/Jim Reeves

Take These Chains From My Heart/ Hank Williams & His Drifting Cowboys

Rub-A-Dub-Dub/ Hank Thompson & His Brazos Valley Boys

It’s Been So Long/Webb Pierce

Hey Joe/Carl Smith

A Dear John Letter/Ferlin Husky & Jean Shepard

I Forgot More Than You’ll Ever Know / The Davis Sisters

There Stands The Glass / Webb Pierce

Caribbean / Mitchell Torok

Let Me Be The One / Hank Locklin

えー、1953年のナンバーワンヒットを聞いてもらいましたけども、やはりハンク・ウイリアムスが亡くなったということで、4曲1位になってますね。ということで、ハンク・ウイリアムス亡き後、ポスト・ハンク・ウイリアムスの争いというのが、この辺から激しくなっていくわけでございます。

それでは、1954年のカントリー・チャート、ナンバーワン・ヒットを聞いてみましょう。

Bimbo / Jim Reeves

Slowly / Webb Pierce

Wake Up Irene/Hank Thompson & His Brazos valley Boys

I Really Don’t Want To Know/Eddy Arnold

(Oh Baby Mine) I Get So Lonely / Johnnie & Jack

I Don’t Hurt Anymore/ Hank Snow (The Singing Ranger) & His Rainbow Ranch Boys

Even Tho/Webb Pierce

One By One / Red Foley & Kitty Wells

More And More / Webb Pierce

えー、1954年のカントリーのナンバー・ワン・ヒットでしたねー。ウェッブ・ピアスがやっぱり3曲もありました。それからハンク・スノーのアイ・ドント・ハート・エ二・モア、これは20週も1位に輝くという大ヒットでしたね。続いて1955年のカントリーのナンバー・ワン・ソングを聞いてみましょう。

Loose Talk/ Carl Smith

Let Me Go Lover/Hank Snow

In The Jailhouse Now/Webb Pierce

Live Fast Love Hard, Die Young / Faron Young

A Satisfied Mind / Porter Wagoner

I Don’t Care/Webb Pierce

The Cattle Call / Eddy Arnold

Love Love Love / Webb Pierce

That Do Make It Nice/ Eddy Arnold

16 Tons/Tennessee Ernie Ford

I Forgot To Remember To Forget/ Elvis Presley

えー、1955年の最後はエルビスが出てきてましたね、カントリー・チャートで。でー、カントリーチャートには、何曲かエルビスは入っていたんですけど、カントリー・チャートでの1位は、これが最初だったんですね。アイ・フォ・ガットゥ・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲットゥ、覚えられなくて、そして、覚えようとして、忘れられてしまう、という、よくわけがわかりませんけども。えー、その、これが1位になっていたということです。その前のシックティーン・トンズ、テネシー・アーニー・フォード、これはポップ・チャートでも1位になっていましたけども、他はウェッブ・ピアス、ハンク・スノーと、いつもの常連でしたけども、このエルビスの、この流れは、別にサウンド的に、目新しいていう感じではなく、カントリーの伝統のまま、それで1位になっているという感じだったんですね。ところがこの流れに、この曲が1位になったんです。

Heartbreak Hotel / Elvis Presley

やはり、カントリー・チャートでも、これはかなり異色ですよね。うーん、それでカントリー・チャートでもナンバー・ワンになって、ポップ・チャートでもナンバー・ワンになったというわけです。

さて、アメリカにはもう一つ大きなチャートがありまして、R&Bチャートというのがあります。で、R&Bチャートも同じように1951から振り返って、どんな曲がナンバー・ワンになっていたのかというのを聞いてみましょう。

Bad- Bad Whiskey/ Amos Milburn

Black Night / Charles Brown

Rocket 88 / Jackie Brenston & His Delta Cats

Chick Boo/Lloyd Glenn

Sixty Minute Man / The Dominoes

Don’t You Know I Love You /The Clovers

The Glory / The Five Keys

T-99 Blues / Jimmy Nelson

Fool, Fool, Fool/The Clovers

 

I Got Loaded / Peppermint Harris

I’m In The Mood / John Lee Hooker

Because Of You /Tab Smith

Flamingo/ Earl Bostic

1951年のR&Bチャートの13曲が1位にチャートされていたんですけどもね。えー、チャールス・ブラウンとかジョン・リー・フーカーとか、ああいうブルースの人ですね。で、えー、ロケット88というのが3曲目でかかりました。ジャッキー・ブレンストンという、これがまたロックンロールの原点だという風にも言われていますし、それから、ドミノーズのシックスティー・ミニットゥ・マンが出てきましたけども、これも大ヒットしました。これが1951年だったんですけども、1952年の、それではナンバー・ワン・ヒット。

Weepin’ & Cryin’/ Griffin Brothers Orchestra

Cry / Johnnie Ray

Three O’Clock Blues / B.B King

Night Train/ Jimmy Forrest

Booted / Roscoe Gordon

5,10,15 Hours/Ruth Brown

Have Mercy Baby/The Dominoes

Goin’ Home/ Fats Domino

Lawdy Miss Clawdy/Lloyd Price

Mary Jo/ Four Blazes

Ting-A-Ling/The Clovers

My Song/Johnny Ace

Juke / Little Walter

Five Long Years / Eddie Boyd

You Know I Love You/B.B King

I Don’t Know / Willie Mabon

52年のナンバー・ワンは16曲も有りますので、短めに編集したんですけども、B.B.キングがデビューして、デビュー・ナンバー・ワン・ヒットですね。スリー・オクロック・ブルースが入っていましたけれども、それからドミノスがハブ・マーシー・ベイビーや、ルースブラウン、女性ではこの頃は大人気でしたね。そして、ファッツ・ドミノやロイド・プライス、ニュー・オーリンズ系も1位にチャートされたというのも、この年の特徴だったと思います。まー、他にはクローバーズ等コーラス・グループの常連もヒットを出していたということでした。

それでは1953年のR&Bチャート。

Baby Don’t Do It / The Five Royales

He Treats Your Daughter Mean /Ruth Brown

Hound Dog/Big Mama Thornton

I’m Mad /Willie Mabon & His Combo

Help Me Somebody/The “5” Royales

Please Love Me/B.B King

The Chapel / Johnny Ace

Crying in The Chapel/The Orioles

Shake A Hand/Faye Adams

Money Honey/Clyde McPhatter & The Drifters

Honey Hush/Big Joe Turner

53年のR&Bのナンバー・ワンは11曲ありましたけどもねー。ルース・ブラウンのヒー・トリーチュア・ドータ・ミーンというのもありました。それから、何と言ってもハウンド・ドック、ビッグ・ママ・ソートンのハウンド・ドックが、これもナンバー・ワンになってたんですね。それとあと、オリオールズ、ヨーソーミー・クライン・イン・ザ・チャペルですけども、これはポップ・チャートでも11位にランクされていたという大ヒット曲だったんですね。そしてルース・ブラウンの対抗馬としてと言いますか、フェイ・アダムスが出て、シェイカ・ハン、シェイカ・ハン、そして、ドミノーズでリード・ボーカルを取っていましたクライド・マックファター、リードシンガー、彼がドリフターズというグループを組んで、マネー・ハーネをナンバー・ワン・ヒットさせたというのが1953年のR&Bチャートでした。それでは1954年のR&Bチャート。

The Things That I Used To Do / Guitar Slim

I’ll Be True/Faye Adams

You’ll Never Walk Alone / Roy Hamilton

Work With Me. Annie/Hank Ballard & The Midnighters

Shake, Rattle And Roll/ Big Joe Turner

Honey Love / The Drifters

Oh What A Dream / Ruth Brown

Annie Had  A Baby/ Hank Ballard & The Midnighters

It Hurts Me To My Heart /Faye Adams

Mambo Baby / Ruth Brown

Hearts Of Stone/The Charms

You Upset Me Baby / B.B King

54年のR&Bチャートのナンバー・ワン、12曲ありましたけども、この中で特徴的なのは、ポップ・チャートにも、あのー、チャートインしたということですね、ロイ・ハミルトンのユー・ネバー・ウォーク・アロン、それからミッド・ナイターズのワーク・ウィズ・ミー・アーニー、それからジョー・ターナーのシェイク・ラットルンロー、それからドリフターズのハニー・ラブ、全部R&Bでは1位になったんですけど、それでもポップ・チャートにもチャートされたというのは、この辺の辺り、54年の辺りから、その傾向が見られてきたということであります。

さて、続きまして、1955年のR&Bチャートのナンバー・ワン・ソング

Earth Angel (Will You Be Mine) / The Penguins

Sincerely / The Moonglows

Pledging My Love / Johnny Ace

The Wallflower / Etta James

My Babe/Little Walter

I Got A Woman / Ray Charles

Unchained Melody/ Roy Hamilton

Ain’t That A Shame / Fats Domino

Unchained Melody/Al Hibbler

Bo Diddley/ Bo Diddley

A Fool For You/Ray Charles

Maybellene / Chuck Berry

Only You /The Platters

All By Myself /Fats Domino

えー、55年になりますと、ポップチャートと変わらないような感じに段々なって参りましたね。それから、ロックンロールの側から見ますと、ボ・ディドリーのボンスタランスタランチャンのボディドリー、オーメイベリンのチャック・ベリー、この辺が1955年に登場したということですね。で、このR&Bチャートに登場したのが。

Heartbreak Hotel/ Elvis Presley

この曲が56年にR&Bチャートにも登場してるんですね。で、残念ながら、1位にはなっていないんです。3位どまりぐらいだったと思うんですけども。えー、どちらにしましても、ポップ・チャートで1位、カントリー・チャートで1位、R&Bで3位、三つのチャートを席巻したわけです。いかに、このエルビス・プレスリーのハート・ブレイク・ホテルというのが衝撃的であったのかというのが、まー、これでお分かりいただけたと思います。

それでは、明日はそのエルビス・プレスリーのデビュー前です。サン・レコードというところにいたんですけども、そのエルビス・サン時代、さんじだいって言ったって、3時のことでないですよ。0時から始まりますけども、エルビス・サン時代を明日、お楽しみを。それでは、また明晩。

(放送内容)