1957年はロックンロールだけでなく、カリプソCalypsoも大ブームでした。マンボは新しく発明された音楽ですが、カリプソ・リズムは、ラテン・アメリカ諸国のリズム。カリプソの発祥地は、西インド諸島のトリニダート島で、これが隣のジャマイカ島に伝わりました。その後百年余りの時を経て、ジャマイカ地方の歌になりました。
スペイン系のザビア・クガートはキューバ島のルンバを都会的なアレンジにして、流行させ、ルンバ王となりました。戦後は、キューバ人のペレス・プラードがマンボ(ラテン音楽とジャズをミックス)の王様になりました。カリプソにおけるクガートやプラードの役割を演じたのが、ハリー・べラフォンテHarry Belafonteでした。
ハリーはスペインの地を引く黒人で、ジャマイカ島に住んでいました。彼はカリブ海の島々を廻ってカリプソを採譜し、歌っていましたが、2年の海軍生活の後、演劇学校に学びました。この時のクラスメートがジェームス・ディーンでした。しかし映画界は人種差別が厳しかったので音楽で身を立てることにしました。そのジャンルは、ロックンロールではなく、自分の得意な西インド諸島の民謡でした。そして1956年にデビュー。
最初は民謡集のLP、次にカリプソのLPを出し好評でした。1956年度のポピュラー・ミュージックLPレコード売上の上位2枚が、ハリーのLPでした。「カリプソ」LPの中から「デイ・オウ」と「バナナ・ボート」と改題して、シングル盤として発売したところ、大ヒットしました。続いて、「カリプソ・ジョー」、「ママはブー・ブー」、「マリアンヌ」、「レッツ・ゴー・カリプソ」を出しました。
Harry Belafonte – Banana Boat Song (Day-O)
浜村美智子 カリプソ娘 1957 / Calypso Joe
Harry Belafonte – Mama Look A Boo Boo
HARRY BELAFONTE – Marianne